平成20年(ワ)第1802号 損害賠償請求事件
原告 田中哲朗
被告 沖電気工業株式会社
東 京 地 方 裁 判 所 八 王 子 支 部
民 事 1 部 御 中
2008年11月14日
原告 田中哲朗
1 本裁判の裁判官の指示により、本裁判の前提である東京地方裁判所におけるビデオカメラ等持込禁止仮処分命令事件裁判の決定の不当性の指摘を行う。
2 原告は 平成20年6月25日付け決定(乙2号証)に対し、異議申立書(甲3号証)において行った異議を再度繰り返さざるを得ない。すなわち。
(1)原決定(乙2号証)は、一方の主張のみを取り上げ、他方の、無視してはならない主張に判断を示さない不当なものである。
(2)債務者は答弁書(甲1号証)において
1 ビデオカメラの持込が債権者に損害を与えることについて。
2 債務者が株主総会において質問している債権者の違法行為について。
3 債権者株主総会の議事運営について。
4 債務者がビデオ撮影等の記録を取る必要性について。
5 債務者が拡声器を持ち込む理由について。
また準備書面(1)(甲2号証)において
1 債務者のホームページについて。
2 松野株主が債務者の歌を株主に聞いてもらおうとしたことについて。
について説明、主張を行った。ところが、現決定は、債権者の主張をそのまま書き写しただけで、債務者の主張に一言一句、コメント、反論した部分がない。
(3)裁判官は、債務者の答弁書、準備書面を全く読まなかったとしか考えられない。
あるいは、準備書面(1)における「裁判官及び裁判所に望むこと」による裁判所批判、原判決をした立川毅裁判官の訴訟指揮に関する指摘に腹を立て、意図的にこのような判断回避を行ったとしか考えられないのである。
もし主張に理由がないと判断したのなら、それを示すべきである。 一方の主張に全く判断を示さないなどと言うことが、裁判で許されるはずがない。(4) 原決定が、債権者の申立をそのまま書いたモノであり債務者の主著に対する反論がないから、異議申し立てを行うにあたり、原決定に対する反論は、答弁書、準備書面(1)をもってそのまま再度主張せざるを得ない。
と指摘した。また
(6) このような理不尽な裁判官による行為が許されることが日本社会のモラルを低下させていることはすでに指摘した通りである。国民にとっては、裁判所が何らかの裏の事情で、犯罪を犯す企業にすら味方していると映るであろう。またこの裁判官の行為こそが、債務者による裁判所批判が正しいことを裏付けていると言わざるを得ない。
(7) 裁判所には再度上記主張の判断を回避しないことを望む。
と、裁判所の姿勢を正す主張を行った。
3 それに対し出された平成20年6月25日付け決定(乙3号証)は原告の「判断を回避するな」という主張を意識してはいるものの、結局は何の根拠も示さない結論を示すのみで、一般の国民がとうてい理解納得できるものではないと言わざるを得ない。すなわち
(1)原告が指摘した「債務者の主張に一言一句、コメント、反論した部分がない。」という指摘に対し、
保全命令の申立についての決定を口頭弁論を経ないでする場合においては、その決定には理由の要旨を示せば足りるのであるし・・・主要な争点及びこれに対する判断を示せばたりるのであり債務者の主張を逐一取り上げてそれに対する判断を示さなければならないというものではない。・・・原決定の説示は・・・主文の結論にいたる判断過程を十分に示したものと評価できる。
などとしている。しかし一方の主張に対し一言一句触れることがない「理由」が理由の要旨を示したことになろうはずがなく、「結論にいたる判断過程を示したもの」であろうはずがない。
(2)また
「しかしながら・・・すなわち、債権者が債務者にビデオカメラ等を用いた撮影を認めれば債権者に損害が生じないということは出来ない。」との結論は原告が主張している「撮影を無理に止めようとするから混乱が生じる」との反論になっていない。さらに
「また、債務者の上記AないしDの主張については、およそ、その各主張事実は、債務者による本件株主総会におけるビデオ撮影ないしはその前提としてのビデオカメラ等の持込みが許されるとする根拠となるものではないといわなければならない」
などと、何の根拠をも示すことを回避し、偏った結論に至っている。さらに。
「 一部の株主がビデオカメラ等で株主総会における議事の状況を撮影する行為は他の株主が有する議決権やその質疑討論を行う機会を侵害する物であり」
「いずれも独自の見解に基づくものであり、前記引用に係る原決定に説示のとおりの債権者の本件株主総会の議事を適正かつ円滑に運営する権利ないしは本件における保全の必要性を否定する根拠とはなり得ない」
などとこれも何の根拠も全く示すことなく切り捨ててしまったのである。これでは説明にもなりはしない。また。
「しかしながら、債務者の上記主張は、いずれも独自の見解に基づくものであり・・・・・保全の必要性を否定する根拠となり得ないものといわなければならない。」にいたっては「独自の見解であるから」だけが理由、根拠である。こんな説明に納得する者がいるであろうか。
4 この決定を、原告が主張し、裁判官が無視をしたキーワードを用いて言い換えるならば。
(1)被告が従業員に人権侵害をおこなっていること、談合などという犯罪までをも繰り返していることには裁判官は関心がない。
また、そのことを質問し答弁求め続ける株主を被告が株主総会において強制排除し、混乱が生じていること、その際に暴力事件が発生し、それが刑事事件に発展する可能性についても関心がない。(2)従って、起こりうる刑事裁判の中で事実を明らかにするために、ビデオ映像が必要になったさい、(かって民事裁判で拒んだように)被告がその提出を拒むかどうかにも関心がない。
(3)最近では株主総会をテレビ中継で公開している企業すらあるかどうかにも関心がない。(テレビ中継で株主は「萎縮」するのか?)
被告の総会会場はいわば密室であるかどうか。参加している者の多くは債権者の関係者であるかどうか。そのような状況下で暴力にからむ事件が起きたとき、その事実を証明し、自衛するには自らが記録をとる必要があるという主張が事実かどうかについても関心がない。(4) 原告は一般株主の発言の映像をホームページに載せたことなど一度もないのに、原告が撮影すれば株主が萎縮すると判断し、被告は撮影したビデオを社員教育に使うなどと言う違法な使い方をしているとの指摘があってもこれを考慮する必要はなく、被告にのみ撮影する権利があると判断する。
(5)すなわち、これら原告の指摘する重要な事実には関心を払わず、ただ一般的な株主総会において株主がビデオカメラを持ち込む権利が無いという観点でしか判断したくない。
5 この裁判官はこの様に書けば、あまりにも理不尽さが露呈するので根拠を示すことを回避したのである。ここに貫かれている裁判官の姿勢は、裁判官が書く決定や判決は国民が納得するものである必要はない。というものであると言わざるを得ない。このような暴挙はこの判決がマスコミなどを通じ、社会に明らかにされないだろうという不遜な態度から来ていると言わざるを得ない。
裁判員制度開始を目前にしている今、裁判所は国民との意識の差があまりにも大きい裁判官の存在を認識し、その意識改革の必要性を認識すべきである。
6 被告の答弁書について
被告は「株主たる原告が被告株主総会の会場にビデオカメラ等を持ち込む権利がないことは既に本件仮処分申立により明確に認められたことがあり(乙2、3)」と主張するが、それは事実に反する。単に第一審である東京地裁ではそのような決定がなされたに過ぎない。
そして、その決定は上級審で覆る可能性のあるものであり、確定したものではない。原告はその決定に対して上級審で争おうとしていたところ、被告が仮処分申立を勝手に取り下げたため争うことができなくなったに過ぎない。
被告は自己の都合がよい決定がでた段階で仮処分申立を取り下げ、原告がその決定を争う道と閉ざしておきながら、あたかも第一審での決定が法的に確定したかのような主張は明らかに失当である。
しかも、被告は年商何千億もの大企業でありながら、仮処分申立において裁判所に供託した10万円余りの被告会社からすれば取るに足りない供託金の返金を求めてきたのである。被告会社はそれほど現金が不足しているのかと皮肉りたくなる。
そもそも本件仮処分申立自体が、被告株主総会での議会運営にすぎない事項を、裁判所に判断を求めるという、大企業としての自覚を欠いている訴訟であるところ、仮処分申立の勝手な取り下げ、供託金の返金の申立と、被告の全く身勝手な行動は社会的に認められるものではない。
被告への仮処分申立での供託金の返金を認めないためにも、原告の損害は認められるべきである。